〜カッパ編〜

 

ボクは大好きなゲームをしていたハズ・・・。

 

キャンディーフリークの弟と対戦をしてたのに、どうしてこんな所にいるんだろう?

 

それにいくら夜だとはいえ、通行人が一人もいないのはおかしい。

 

辺りを見回していると、何かの気配を感じてゾッとした。

 

慌ててそこに止まっている車に飛び乗ると、エンジンをかける。

 

誰かに後を尾けられている気がしてバックミラーをしきりに見ながら、スピードを上げた。

 

 

豪華なホテルの入り口に車を止めて、ロビーを駆け抜ける。

 

上の階へ行き、突き当りの部屋へ滑り込むと、そこにはロン毛のアイツ。

 

だけど、一瞬戸惑った。

 

いつもは影が薄すぎてどこにいるのか分らないのに…

 

今日はハッキリしすぎるほどの存在感を醸し出してる!

 

思わず後ずさり、そのまま廊下に出るとパタンとドアを閉めた。

 

気を取り直してもう一度、ドアを開く。

 

「どうしたの?」

 

真っ青な顔をしてたんだろう、心配されちゃったよ。

 

「誰かに尾けられてるみたいなんだ!」

 

さっきの事もあり、気が動転していたみたいだ。

 

「いいから落ち着いて。すぐにここを出よう。」

 

そう言って、プラントがジャケットを取りに行っている間に、気を落ち着かせようと洗面所で顔を洗う。

 

「行こう。」

 

ジャケットを羽織ながらそう言う彼と一緒にロビーへ。

 

フロントの横には、なんだかおかしな草が生えてて、誰かがその前で記念撮影をしてた。

 

花の部分は霞んでいてよく見えないけど、チューリップのような茎と葉をつけてる。

 

なんだか意味がわからないから、気にするのはやめとこう。

 

プラントが眠気覚ましに、とコーヒーを飲むのを待ってホテルを後にした。

 

*****

 

ボクは助手席に座っていた。

 

スピードを上げる車の窓から、外を眺める。

 

ふと、サイドミラーを見たら、なんかとんでもないものが!!

 

一瞬しか見えなかったから、よく分からないけど、赤くて大きな何か・・・。

 

怖くなってサイドミラーを動かすと、今度は知らない女の子が運転してる姿が映っていた。

 

おかしい!

 

視線を運転席のプラントへ移す。

 

なんだか愛しいものを見つめるような目をしていた彼は、ボクと目が合うと突然ドアを開けて、道路へダイブ!

 

必死になって運転席に座りなおして、ハンドルを握ってからバックミラーを見ると・・・

 

転がり落ちたプラントが顎のあたりに手をやり、被り物を取るように顔を剥がした!

 

そこにいたのはボクの知っているプラントじゃなくて、ブルーブラックの髪色の女の子だった。

 

でも、彼女をじっくり見てる場合じゃない。

 

いきなり行く手に壁が現れたので、急ブレーキをかけ、思い切りハンドルを回す。

 

どうしよう、止まらない!!

 

思わずハンドルを握っていた手で頭を抱え、シートに身を隠した。

 

危機一髪。

 

車はそのボディーを大きく左に振ってから、ピタリと止まった。