〜ヒヨコ編〜
気が付いたら、僕は塀を飛び越したところだった。
おかしいな。
家でくつろいでたはずなのに。
おおかた、キリンかカッパがなにかやらかしたのだろう。
目の前には、今まで誰かが食事していたようなテーブル。
この散らかり方は、キリンか?
まずはこれからどうしたらいいのか冷静に考えなくては。
とりあえず自分の居場所を確認しようとあたりを見回したら、異様な看板が目に入った。
左から、キリン、自分、カッパ、濃い人と写真が並んでいて、既に左の2枚は獣が引っかいたようなバツ印が大きくつけられている。
キリンは消されて、今度は僕…ってことだよね?
そう思った瞬間、何かが僕を目掛けて飛んできた。
僕の頬をかすめていったソレは、コロン、と音を立ててアスファルトにぶつかった。
手にとってみると、それはなめらかな感触の直方体。
茶色く塗りつぶされた面と、白地に何か紋様のようなものがかかれた面がある。
もう少しじっくり見たくて明かりにかざそうとしたとき、今度は煙を立てながら、別の何かが飛んできた。
急に背筋がゾッとして…。
今度のは本当にヤバそうだ。
集中放火のごとく、立て続けに飛んでくる。
たまらず僕は、握りしめた滑らかな物体をポケットに突っ込み、正面のスーパーマーケットに飛び込んだ。
*****
得体の知れない砲撃から逃れたが、逃げ込んだ先も十分不気味だ。
営業中にも関わらず客はおろか従業員も、人っ子一人いない。
当てもなくさまよっていたら、見覚えのあるメーカーの缶詰めが目に付いた。

だが、この奇妙な空間のせいか、見慣れたはずのデザインが不気味に見える。
その時、視界の端っこに黒髪の女性が映った。
彼女に聞けば何か分かるかも。
後ろ姿を追いかけて、裏口から薄暗い道へと飛び出した。