カッパが消えて、さすがに会場がざわつきだした。

ステージにはヒヨコ一人。

そりゃ気付かなきゃおかしいだろ。

異様な会場の空気に、ヒヨコはようやくワカバに目を向けた。

見つめ合う1人と1匹。

えっ?

なんか通じ合ってるの!?

一歩近づくワカバ。

微笑むヒヨコ。

ワカバはヒヨコの足元におとなしく座った。

なんでヒヨコがワカバを手懐けてるのさ!

マイクをそっちのけで、ワカバを撫でるヒヨコに、会場からは感動なのかなんなのか、すすり泣く声まで聞こえてきた。

「ん〜。かわいいですね〜」

は?

今のは幻聴?

「獰猛ないきものでもね〜、こうやってね〜、撫でてあげたらいいんですよ〜」

ヒヨコが日本語!?

つか、あなたム○ゴロウですか!

誰かつっこめよ!

転がってお腹をなでられていたワカバは、突然座り直し、上に向かって何かをプッと吹き出した。

カラン…。

バサッ。

吐き出されたのはサングラスと…ズラですか!?

「ああ。変な物も一緒に食べちゃったんですね〜」

って、身につけてた人達は、ワカバの食糧としてふさわしいのですか?

仲間じゃなかったのですか?

ひどく疲れたあたしは、ヒヨコとワカバが奏でる不思議なハーモニーを聴きながら、ステージの終了を待たずに会場をあとにした。

今晩絶対うなされる!!!!