早く!早くしないとカッパが!!うちの怪獣・・・じゃなかった、駄犬の餌食になってしまう!!
ああ!!カッパ!!
ワカバと見つめあいながらちょっとずつ後ずさりをするカッパ。
「Run away!!」
観客とか、SPとか気にせずにとにかくカッパを助けたい一心で叫んだ。
あたしの声が聞こえたのか、ワカバが一瞬ビクッと体を震わせたけど、本当に一瞬の出来事。
いきなり現れた、このコンサート会場には不釣合いなクラブ使用の変な女を見て、カッパはビックリした顔をしてるし。
逃げてったら!!もう!これだから頭の悪い子は!!
でもあたしの願いは虚しく、ワカバは相変わらずのキラキラした瞳でカッパに向き直った。
ああ!!早く逃げて!!
思い出した様に逃げるカッパ、それを追うわかば。
二本足が四本足にかなうはずがない。
パクリ。
ああー!!喰われちゃったよ!!
なに?!なんなの??
歌い続けるヒヨコと、これもショーだと思ってる観客たち。
もうお終いだ〜!!
皆、お願いだから喰われる前に逃げてちょーだい!!
あたしは殺人犬の飼い主として刑務所に入れられる白昼夢を見ながら、夢中で駆け上がって来たステージの上にへなへなと座り込んだ。
その時、ワカバとヒヨコの目が合った。