ワカバは今年12歳になるあたしの飼い犬。
飼い主に牙を剥くふてぶてしいヤツだ。
だけど、散歩に連れてく時はすこぶる可愛い。
ほら、今日も待ってましたとばかりに尻尾を振ってる。
嬉しそうにはしゃぐワカバのリードを付け替えて、庭から出る。
うん、いい天気!よし!公園でも行こう!
緑いっぱいの川沿いの公園に着いた。ここはワカバのお気に入り散歩コース。
「HEY!」
誰かに呼び止められた。え?外人に知り合いいたっけ?
「あ、みんな!」
振り返るとそこには爽やかなヒヨコとヤク中キリン、モデル立ちのシューと愛しのカッパがいた。
「ヒヨコ、キリン、シュー、それからカッパ!」
あれ?なんかもう一人、忘れてないか?
「プラントも…いたんだ?」
ごめん、影薄すぎて気付かなかった!!
だけどその瞬間。
パクッ!!!
え?なんか今、すごい音しなかった?
「なんの音?」
何が起こったのか、皆分からないみたいだ。あたしもわかんないし。
「ま、いっか。なあ、暇なら俺たちとどっかいかねえ?」
見てわからんか!犬の散歩中だ!このヤク中が!!
「キリン、彼女はワカバちゃんの散歩してるんだよ。ねえ、僕らも一緒していいかなあ?」
うおぉ!爽やかすぎてミントの香りのするヒヨコだぜ!
「僕、ゲームしたい」
こらぁ!カッパぁぁ!犬の散歩くらい付き合えよ!
オフでそんな事ばっかしてっからいくらダンスやっても痩せねぇんだよ!!
「カッパ、俺も少し散歩したいんだ。付き合ってくれ。」
濃い人ぉぉ!流石は年長さんだぜ!
「じゃ、行こう!」
ワカバを引っ張って歩き出そうとした時…
「なんか忘れてね?」
え?なになに?キリン、忘れ物?
「そういえば…」
ヒヨコも?
「なんだっけ?」
カッパもか?!
「プラント…」
シュー、プラントを忘れちゃ可哀相だよ…って、えぇ?!
「今までここにいたよね?」
気付かなかったぁ〜!!そう言われてみれば、いたようないなかったような…。
ガリガリガリガリ。
え?また変な音?!
「ワカバ!」
カッパに言われて気付いたんだけど、ワカ、何食ってんの?!また拾い食い?
でもその音、なんかおかしい。
カラン。
あ、口に入りきらなかったのか、食べカス落ちてるし。
もう!また変なもん食って!
って、ええええぇぇ!?
ワカバの口の下に、白骨落ちてる!!しかも手だけ!!
「これ、あいつの指輪じゃね?」
「そういえばプラント、この指輪気に入ってたよね。」
え?!ちょ、ちょっと待ってよ、キリン!ヒヨコ!!
なんでさっきまでここにいたプラントの白骨が?!しかも手だけ!!
ペロリ。
ワカバが舌なめずりをした。
ま、ま、ま、まさか!!
皆でワカバを見つめると、こいつ…落ちた白骨を拾って食い始めた。
ガリガリガリガリ。
うそぉ〜ん!!
皆、呆気にとられて放心状態。
「…ま、いっか。」
いや、よくねえだろ!!
「それより、散歩終わったらどっか行かね?」
え?何言っちゃってんの?ヤク中!
「皆でビリヤードとかどうかな?」
ヒヨコがビリヤード?!似合わねぇ!!
「僕、ゲームしたいってば!!」
カッパはいつもそれだな。でも、むくれた顔も抱きしめたいぜ!
「たまにはビリヤードにしないか?ゲームはその後すればいい。」
濃い人、大人な意見をありがとう!
って、あれれ?
何か忘れてるんだってば!!
え〜っと、え〜っと…。
ま、いっか♪
―おしまい―