妖精の国のガラム・マサラ王の娘、プリンセス・アナベルがプリンス・チャーミングを探しに旅に出ると決心したとき、唯一彼女が持ち出した(連れ出した)ものがあった。
これは、そのアナベルが連れ出したものが繰り広げる、主婦の知恵とパワーと、ほんのちょっとの悲哀が混じった、心温まるお話である。(どうだか!)
プリンセス・アナベルがお城を出て2日目。
ホロキア「ふひー・・・ちょっと疲れてきたぁ」
ローリエ「だめよ!この程度で弱音を吐いちゃ。体を鍛えなさい!」
バニラ 「アルマンドが・・・アルマンドが浮気!!!?」
クローブ「ソープドラマの話はどうでもいい・・・」
ペッパー「あたしの特製強力ペッパードリンク飲む?」
説明しよう!5人集まっているがまともに会話が成立しない彼女たちはキッチンおばさんず。プリンセス・アナベルが生まれたときから護衛や身の回りの世話をしてきた、超ベテラン主婦たちなのだ。
1日目のお昼過ぎ、それぞれの家庭の事情で一旦は仕事を放棄しそうになったが、夜に戻ってきてたちどころにプリンセス・アナベルの世話をこなしてしまった。
ペッパー「プリンセスのプリンスチャーミングはどこにいるのかしら。」
クローブ「アナベル様のプリンスチャーミングが、うっかりあたしに惚れちゃわないといいんだけど・・・いやん!夫も子どももいるのに!!!」
ローリエ「自意識過剰・・・。あんたみたいなおばさん、相手にしないわよ」
ホロキア「アナベル様を傷つけたら、燃やしてやるわ!ガオーッ!!!」
バニラ 「アルマンドみたいに浮気者じゃないといいんだけど・・・」
盛り上がる話題はどうでもいい内容ばかりだ。
その時、前を飛んでいたシャボンの中から突然声があがった。
アナベル「むぅ・・・。眠くなってきた・・・」
当然、おばさんたちの騒ぎが始まった。
ホロキア「焚き火を燃やして寝ずの番よ!ガオーッ!!!」
バニラ 「アタシは子守唄歌うわ。ラララ〜」
ローリエ「アロマオイルでも焚く?」
ペッパー「ハイハイハイ!!!あたし添い寝するわん」
クローブ「寝酒にリキュール入りチャイを用意するわ」
プリンセス・アナベルは眠い目をこすりながら迷惑そうにしている。
ローリエ「ちょっと・・・!うちの子も寝る時間よ」
クローブ「ダーリンにお休みコールしなきゃ・・・」
ホロキア「やだ!うち布団干したままだわ!」
バニラ 「深夜にベティの再放送があるんだった!」
ペッパー「PTA主催の星の観察会の役員なの忘れてたわ!」
言うが早いか、皆一斉にアナベルの膝の上の瓶の中に飛び込んだ。こういうときが一番すばやい。
アナベル「やっと眠れるぅ〜」
プリンセスアナベルは言うが早いか寝入ってしまった。
まもなく帰ってくるおばさんずの寝言のせいで眠れなくなってしまうのを知る由もなく・・・。
頑張れおばさんず。お鍋はステキな寝床。彼女たちの活躍(?)はまだまだ続く・・・はず!